2013年12月05日

[174]地域ブランドを担当する経営指導員向け | 小さな会社を強くする ブランドづくりの教科書−岩崎 邦彦

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目次

プロローグ モノづくりに勝ち、ブランドづくりに負けた?
CHAPTER1──ブランドづくりのベクトルを統一しよう
CHAPTER2──ブランドの力
CHAPTER3──強いブランドの条件
CHAPTER4──ブランドづくりのファースト・ステップ
CHAPTER5──強いブランドは、感情に訴える
CHAPTER6──なぜ、二番手ではダメなのか?
CHAPTER7──ブランドづくりは、ひき算である
CHAPTER8──強いブランドの強力な土台
CHAPTER9──目にみえないブランド価値を形にする
CHAPTER10──良い名前、悪い名前
CHAPTER11──誰のためのブランドか?
CHAPTER12──広告に頼らないブランドづくり
CHAPTER13──強いブランドの価格戦略
CHAPTER14──強いブランドには、ハーモニーがある
CHAPTER15──ブランドづくりにゴールはない


著者が中小企業診断士試験の試験委員ということで、半分試験対策で読んだ本です(笑

タイトルは「小さな会社を」となっていますが、昨今では商工会/商工会議所による地域ブランドや特産品を生かした商品開発やそのマーケティングに関わる単会も多いと思います。
商品名やキャッチコピーの作り方に悩む経営指導員におすすめの本です。

「みんながやっているから、自分もやろう」は、ブランドづくりにとって危険な発想である。
(中略)
競合企業の分析をするときにも、「ライバルが何をしているのか」を調べるよりも、「ライバルが何をしていないのか」を知ることが大切である。
(P.123)


「地域モノ」で言うと最近では「B級グルメ」・「ゆるキャラ」ですが、次に何が来るでしょうか?

ゆるキャラは、地域の特色ある動植物や食などをキャラクター化したのが多いので親和性が高かったと思います。その流れを汲むのか?まったく新しいジャンルが来るのか?

「高品質」という言葉は漠然としており、いったい何の品質が高いのかわからないし、インパクトも弱い。
(中略)
ブランドづくりにおいては、最も人をひきつける特徴を選び、それを強調し、自らのポジションを明確にすることが必要なのである。
(P.135)


サービス・小売り業でも製造業でも使われることが多い「高品質」という形容詞。

何が高品質なのか焦点を絞って、それを自分のブランドにするということです。
逆に焦点を絞らないと、そこから作るPR媒体などが「ボヤけた」ものになってしまいますし、ターゲットも定まりません。

つまり、効果的なマーケティング活動(誰に、何を、どのように)も展開できなくなります。

ブランドにとって、陳腐化は最大のリスクだ。現状維持を続けていると、次第にブランド力は弱くなる。
ブランドづくりは進化であり、チャレンジである。ブランドに完成形はない。
(P.257)


これは、商工会にも当てはまる…かも。


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2013年05月09日

[156]最近、「嬉しい」と言われていない経営指導員向け | 「心の時代」にモノを売る方法 変わりゆく消費者の欲求とビジネスの未来−小阪裕司

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目次:
第1章 変わりゆく消費社会とたったひとつの欲求
第2章 なぜ、この「現実」が見えなくなるのか
第3章 「売れない」三重の問題とビジネスの未来
第4章 新しいビジネス六つの成立要件
第5章 ビジネスの姿が変わる三つの潮流
第6章 つけるべき力、磨くべき感性


日経MJに連載している小阪裕司氏の著書。
出てくる内容の一部に日経MJに書かれていたものがありましたが、それについても紙面上では書かれていなかった深い考察などが書かれていて勉強になりました。

前回の「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。に続いて、マーケティングの本になります。


ワクワク感。(中略)「ああ、よかった、大切にされている」と感じること。「いい雰囲気の店だなあ」という気分の良さ。
そういったものすべてが「嬉しい」を生む。であるならば、この「嬉しい」をたくさん作ることが、これからのビジネスの目的になるのではないだろうか。
(P.124)


商工会/商工会議所の経営指導員も平たく言うと「サラリーマン」なので、給与が増えれば嬉しいですが、やはり会員さんからの「ありがとう/助かった」と言われる、いわゆる言語報酬も嬉しいものです。
というか、そのために仕事をしているわけですが(笑

様々なレベルや内容の課題や問題がクリアされた時、嬉しいわけですが、それはビジネスだけでなく普段のなにげない買い物や外食の時にだってあります。

それをいかに創造し、提供するか。
これからの中小企業支援で意識したいところです。


PDCAはご存じだろう。計画し、実行し、検証し、改善につなげるということだ。PDSAの場合、Check(検証)ではなくStudy(学習)を当てる。つまり検証に留まらず、計画・実行したものから学び取るということである。
(中略)
Studyする目的は、そこからパターンを見出しモデル化するためだ。そこからフレームワークや、誰もが使える実践手法、思考ツールを開発していくためだ。
(P.210)


Check(検証)では、悪い所を抽出し、それを改善することなりますが、Study(学習)は、成功した部分からその成功モデルを作るということです。

とかく、日本人は「ダメな所を見つけてなんとかしよう」という意識が強いですが、「良い所を成功パターンまで昇華させる」というのは意識しないとできなそうです。

「ダメ出し」じゃなくて「良い出し」が、これから大事にしたいことでしょうか(笑



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2013年05月02日

[155]子育てとマーケティングに燃える(?)経営指導員向け | 「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。−阪本啓一

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目次:
プロローグ 革命なう―とんでもないチャンス到来!
1 つぶすには?
2 たった1人
3 感染(うつ)すんです
4 FACE(看板商品、看板娘)をつくろう
5 ソーシャルメディアも「たった1人」のために
6 アナログ力を鍛えよう
7 「たった1人」にフォーカスする


久しぶりにマーケティングの本の紹介です。

「消費者ニーズの多様化」「商品のコモディティ化」そして「インターネット」
現代のマーケティングにどう対応すればいいかヒントになる本です。
現代の(?)商工会/商工会議所の経営指導員必読です。


過去の(産業)革命はいずれも、ビジネスサイトの能力を高めるものだった。第4の革命(ネットのインフラ化)は、生活者・顧客がパワーをもった。
(中略)
つまり、これまでの革命のように、「組織の都合」で物事は運ばない。そもそも組織の革命ではなく、ビジネスモデルそのものの革命なのだ。
(P.30)


インターネットは双方向のメディアです。
企業やお店の発信する情報のみならず、顧客がそこで得た体験が瞬く間にインターネット上に公開されます。

「価格.com」や「食べログ」のレビュー情報はまだ、その体験から掲載されるまでタイムラグがありますが、Twitterがここまで普及していると、正に「瞬く間」にその情報が流れていきます。

書かれているように「組織の都合」ではどうにもなりません。


人は、商品・サービスを買っているのではない。自分のインタレスト(興味・関心)を満たしてくれるアイデア(製品・サービスのしてくれることがアイデアだ)にお金を支払う。
つまり、自分を買っているのである。
(P.69)


「モノではなく、コトを売れ」というフレーズは、よく聞きます。

それをもう1歩深く入った「(顧客は、)自分を買っている」というのは、こちら側としても「ピン」と来やすいではないでしょうか?
早速、会員さんと話する時に、使いたい表現です(笑


「自分がやられていやなことは、人にはしてはならない」この意味をポジティブにひっくり返すと、こうなる。
「自分がされてうれしいことを、人にしてあげよう」
(P.112)


これは、子育てのシーンでも使いたいですね(笑

叱る時に「自分がやられて嫌なことはやるな!」とよく言いますが、逆に良いことをして褒める時は、その内容によっては使えますね。

上の子が、「下の子ばっかり褒められて、全然褒められない」と妻に愚痴っているようなので、意識して使おうと思います(笑

以上、マーケティングのみならず、子育て中の経営指導員にもビビッと来る1冊です(笑



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2013年03月14日

[148]パン屋の創業支援をするかもしれない経営指導員向け | 小さな「パン屋さん」のはじめ方−Business Train

小さな「パン屋さん」のはじめ方



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目次:
1 話題のパン屋10店の美味しさと魅力を知りたい!
2 小さなパン屋をはじめる前に知っておきたいこと


前半は、ユニークな小さなパン屋さん(10店舗)の紹介。
パンはもちろんのこと、お店の内装、外装の写真。
店舗内については、イラストを使った店舗俯瞰図もコメント付きで詳しく掲載。

後半では、お店のコンセプトから資金繰り、オープンまでのタイムスケジュール。
さらにプライスカードの書き方から接客の仕方まで、前半で紹介されていた10店舗の事例を交えながらの内容。
これ1冊あれば、商工会/商工会議所の経営指導員の支援など無くてもお店がオープンできそうです(笑

逆にここに書いてあることを理解しておけば、パン屋さんの創業支援はバッチリかと。

(お店のコンセプトを考えよう)
街のパン屋で購入するだけでなく、ホームベーカリーの普及により、家庭でも気軽にパンがつくれるようになっている。
そのため大手メーカーや有名チェーンにとっても、家庭の味との差別化を図る動きが目立ってきている。小さなパン屋にとっては、まさに存在意義が問われる時代だ。
(P.94)



(メニュー構成の考え方)
1世帯あたりのパンの消費金額は、年間で2万8368円。そのうちの約31%を占めるのが食パン類で、8711円
菓子パンや調理パンなどのその他のパンは嗜好性があり毎日食べたいと思われるものではない
(P.108)



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2013年01月31日

[142]これからのビジネスモデルについて考えている経営指導員向け | 小商いのすすめ−平川克美

小商いのすすめ



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目次:
第1章 経済に蚕食された社会
第2章 街角のフォークロア
第3章 ちいさいことの意味
第4章 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ――東日本大震災以後
第5章 小商いのすすめ


本書には「小商いのすすめ」というタイトルが付いていますが、実は「小商い」そのものに関してほとんど論じられていません。しかし、本書はまぎれもなく「小商い」についての考察なのです。(P.1)

いきなりこう書かれていて「ジャケ買い(正しくは「タイトル買い」になりますか)して失敗した!」
と思いましたが、読み進めていくほどに勉強になり、そして「小商い」の考え方がこれから必要であるという思いになります。
これから先のビジネスモデルを考える(変える)ことを検討している人には是非手にとってもらっていいと思います。

ただ、池田内閣当時は、何をやってもうまくいく状態だったものが、いまはたとえば国内の消費を増やそうと思って減税しても、それが市場に流れずに貯蓄に回ったり、あるいは増税して歳入を確保しようとすれば、消費がさらに冷え込んでデフレ傾向が進行したりといった具合に、何をやってもうまく回っていきません。
このことが意味していることは拡大均衡の条件がすでに崩れているということです。
(P.157)


中小企業診断士試験の経済学を勉強中の身としては、なるほどな話です。
需要と供給が均衡するところで市場価格が決まるわけですが、その市場が拡大しながらの均衡なのか、縮小しながらの均衡なのかの視点が大事ということです。

今は、どう見ても「縮小均衡」で、従来(ここで言う池田内閣(1960年代前半))とは違う状況です。
つまり、今までと同じようなことをやっていてはダメだということです。

拡大均衡の最終的な段落に入った西欧型先進国は、消費者の欲望をきめ細かく分断してゆくことで延命してきました。
需要が常に右肩上がりで上がり続けるためには、大勢でひとつ必要だった商品を、ひとり一個にする必要がありました。
さらに、ひとり一個だったものを、ひとりが複数の同じような商品を抱え込むところまで、消費者の欲望は細分化していったわけです。
(P.201)


日本の例だと家庭用ゲームがあてはまるかなと。
今まではリビングにあるテレビにつなぐゲーム(例:ファミコン)から現在は携帯型ゲーム(例:NINTENDO DS)そして、スマートフォンなどでもゲームができます。

それにしたって、今までは親のお下がりの携帯ゲーム機でよかったのが、バージョンアップしたものが出ればそれを欲しがり、お下がりのゲームはモトサヤに戻ってきます(笑

しかし、このビジネスモデルもそろそろ終わりに近づいてきています。

小商いとは、自分が売りたい商品を、売りたい人に届けたいという送り手と受け手を直接的につないでいけるビジネスという名の交通であり、この直接性とは無縁の株主や、巨大な流通システムの影響を最小化できるやり方です。(P.212)

最後にこれから「小商い」な時代になることを解説しています。
最近のマーケティングの1つに「何を買うかではなく、誰から買うか」というような「人と人のつながり」を重点においた考え方があります。

自分が売りたいものはこれで、なぜそれを売りたいのか?そして、それを買ってほしい人は誰なのか。
単純な顧客の「絞り込み」ではない、「小商い」な考え方がこれからのビジネスのヒントになりそうです。



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2012年11月22日

[132]商工会/商工会議所は接客業だ!と思う経営指導員向け | また絶対にこよう!と思われる接客のマナー−スピーキングエッセイ (監修)

また絶対にこよう!と思われる接客のマナー


また絶対にこよう!と思われる接客のマナー

出版社: 秀和システム (2012/07)
ISBN-10: 4798034320
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目次:
1 開店開業前の準備と心構え―「ステキなお店」にしよう!
2 お客様をお迎えする―「感じのいい人」になろう!
3 お客様への応対(お店にて)―プロとしての必修スキルを身につける!
4 お客様への応対(世代・タイプ別)―どんなお客様からも好かれたい!
5 お客様への応対(困った時は?)―トラブル・クレームにも負けない!
6 お客様への応対(電話では?)―めざせ電話美人!
7 お買い上げ時とその後のフォロー―リピーター、ファンをつかむ!
8 その言葉づかい、お客様には通じません―言葉のセンスを磨いて魅力をアップ!


あらかわ がまだ新人職員だった頃の話。
元飲食店に勤めていた他の単会の経営指導員から「確定申告指導は接客業。同じ確定申告書を作るにしても楽しんでもらわないと」
というのを聞いて衝撃を受けたことがあります。
まだ、税務知識が不十分で、それをやるのに精一杯だったこともありますが(苦笑

商工会/商工会議所はサービス業、そう接客業でもあるのです。


(チームワークができていますか?)
チームワークとは、仲間同士の中の良さではなく、お客様のために緊密な連絡が取れているかどうかです。
誰もが同じ情報をもっていてこそ、すべてのお客様に満足していただけます。
(P.24)


よく部署(社員同士)の情報共有を!と言いますが、いわゆる「報連相」の徹底を含めて実際に行うのは難しいものです。
商工会でも会員情報共有するシステムがありますが、なかなか活用しているところまで使い込んでいるところは…。

ダメ出しもできない、温い集まりは、チームワークでは無く「馴れ合い」ですかね。
お客様のために一丸になるために必要なのが「チームワーク」ということです。


(商品の短所を隠していませんか)
「見た目はあまりよくないけど、おいしいですよ」
これを、長所先にすろとこうなります。
「おいしいですが、見た目はよくないんですよ」
短所を後にすると、その内容が発言全体のイメージを決め、悪いイメージを与えてしまうのです。(マイナス・プラス法)
(P.55)


新規会員勧奨の際、商工会の説明する時は、まず年会費から話します。
理由は、こちらにある「マイナス・プラス法」にのっとってです(笑


(商品知識がない人への接客ポイントは?)
「商品知識がないお客様」とは、商品をどう選んでいいのか分からないけれども、その商品は必要としているという人です。つまり、「知識」は無いけれども「目的」はあるわけです。
したがって、接客する際には、知識を補いながら目的を達成するお手伝いをして差し上げることが大切です。
(P.82)


これは普段の経営支援でもあるシチュエーションです。
「○○したいんだけど、どうしたらいい?」から切り出される相談です。
知識を補いながらなので、経営指導員にはわかりやすい説明が求められます。

ということで、経営支援の知識と共に本書に書かれている接客のマナーを身につけましょう!



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2012年10月25日

[128]商店街(商店会)を担当する経営指導員向け | 商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道−新雅史

商店街はなぜ滅びるのか


商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道

出版社: 光文社 (2012/5/17)
ISBN-10: 4334036856
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目次:
序 章 商店街の可能性
第1章 「両翼の安定」と商店街
第2章 商店街の胎動期(1920~1945)――「商店街」という理念の成立
第3章 商店街の安定期(1946~1973)――「両翼の安定」の成立
第4章 商店街の崩壊期(1974~) ――「両翼の安定」の奈落
第5章 「両翼の安定」を超えて ――商店街の何を引き継げばよいか
あとがき


前回ご紹介した[127]都市と消費とディズニーの夢−速水健朗がショッピングモールの話。
今回が「商店街はなぜ滅びるのか」という商工会/商工会議所の商業担当の経営指導員は目を背けたくなりますが、逃げてはいけません!

…という理由だけではなく、目次を見てわかるように商店街が生まれた背景から商店街の崩壊まで、非常にわかりやすく解説されています。

特に商店街のライバルの1つ、コンビニエンスストアが生まれた背景、発展していったことに商店街と個店(パパママストア)が絡んでいることを示唆した内容は勉強になった。

大蔵省が、一九三八(昭和一三)年に、「酒類販売免許制」という強い規制を実施する。
こうした規制を実施したのは、零細の酒販店がこれ以上増加してしまうと酒販店の倒産が相次ぎ、その結果酒造業の税納入に支障が出るかもしれないと危惧したからである。
(P.78)


お酒やたばこなどに販売免許があることに疑問を持つことがなかったのですが、そういう背景があったのは知りませんでした…。
まだまだ勉強不足であることを痛感します。


一九四〇年代は、小売業の転廃業と免許制・距離制限が実施されたことで、一定の地域(繁華街ではなく住宅地)に酒屋・米穀店などが一軒ずつとなった。
こうして地域の消費空間が作られる。それは、生活インフラの場としての「地元商店街」の制度化であった。
(P.78)



免許が必要なお店がコアとなって商店街が形成されたということになりますか。
まれに「こんなところに商店街があるんだ(あったんだ)」というのはそういう時代背景からですね。


あらためて確認すると、「商店街」という理念は、それぞれの店が専門店をめざすことで、共存共栄を図るものだった。
(中略)
一部の商業者だけが勝利しても、地域全体の幸福につながらないことは明白である。
くりかえすが、商店街の存在理由は「生存競争の平和的解決」にあることをあらためてかみしめたい。
(P.210)


かつて「横の百貨店」と言われた商店街。

消費者のニーズにあった専門性を高めるためにはどうしたらいいか?
商工会/商工会議所の支援にもその視点は必要ですね。



 
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2012年10月04日

[125]団塊ジュニアな経営指導員向け | 第四の消費 つながりを生み出す社会へ−三浦展

第四の消費 つながりを生み出す社会へ


第四の消費 つながりを生み出す社会へ

出版社: 朝日新聞出版 (2012/4/13)
ISBN-10: 4022734450
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目次:
第1章 消費社会の四段階
第2章 第二の消費社会から第三の消費社会への変化
第3章 第三の消費社会から第四の消費社会への変化
第4章 消費社会のゆくえ
巻末特別インタビュー 「無印良事」の時代へ(辻井喬氏)


1970年前半(1970〜1974年)生まれを「団塊ジュニア」、後半(1975〜1979年)生まれを「ポスト団塊ジュニア」と区別するそうです。
この本で言う「第四の消費社会」での中心的な存在となります。

『こうして第一の消費社会から第四の消費社会への変遷を世代論的にたどっていくると、当然ながら、第四の消費社会を担うのは団塊ジュニア世代だということになろう。
団塊ジュニア世代が三〇歳前後から六〇歳前後になる時代、それが第四の消費社会である。』(P.228)


自分自身の消費傾向を重ねて読んでもおもしろいですし、中小企業を支援する経営指導員という立場から読んでも参考になる本です。

第三の消費社会に生まれた彼らは、あらかじめ豊かな社会環境、中流化した家庭で育ったので、親が物を買い漁り、マイホームを物で満たすのを見て育ってきた。
彼ら自身も、ちいさな頃から物を買い与えられ、中高生の頃からブランド物を持ったり、家族で海外旅行に行ったりするほど、物質的に豊に育ってきた。

しかし、だからこそ、団塊ジュニア世代は、物の量よりも物の質を、大量生産よりも職人的な手仕事の価値を、物質的な満足よりも人とのつながりや心の充足を、欧米的なものよりも日本的なものを、都会的な暮らしよりも田舎暮らしを求める傾向が強まったのだと言えるだろう。
(P.228)


他の部分に書いてありますが、第三の消費社会(すなわち自分の親の世代)では、「所有すること」を求めていたとのことです。
話はずれますが、子どもが大きくなり、家を購入するか?今より大きな賃貸物件に引っ越すか?という時に、妻は「一軒家はやだ」と言っていました。
理由を聞くと「1人1部屋を与えられて、日常で家族で顔を合わすのが食事の時だけというのがやだ」ということでした。

このエピソードも「物質的な満足よりも人とのつながりや心の充足」ということになるでしょうか。
最近のハウスメーカーを見ると、リビングで勉強できるようなスペース作りなどを提案したりしているようです。


新商品を使い捨てる消費者が減り、すでにあるものを活かして、新しい価値を生み出す人々が増えると、物が売れてなくなるからである。
(中略)
だが、そもそも人口が減り始めているのだから、ひとりひとりに物を売るというビジネスモデルを続けていても、長期トレンドとしては早晩売上げは減るしかなく、利益も減っていくのである。
(P.247)


人口減にあわせて、消費社会からシェア社会に。
本書を読むまでもなく、今のままの経営(ビジネスモデル)では通用しないのは目にみえています。

それに対応する術はあるのでしょうか?


私は、シェア型の社会について考えていくなかで、二年ほど前に思いついたことがある。それは、現代の消費者は「楽しいこと」ではなく「うれしいこと」を求めているということである。
(中略)
第三の消費社会までの価値観は物に力点があり、第四の消費社会においては人に力点があるのだ。何を消費したかではなく、誰といたか、誰と出会えたか、誰からそういうふうに買ったかということが重要なのである。
むしろ企業としては、第四の消費社会、人口減少にふさわしい、人と人とのつながりを生み出すビジネスを考えるべきなのだ。
(P.249)


端折った部分は…
「○○さんと××に行って、楽しかった」「○○さんと××に行って、嬉しかった」
前者は「××に行ったこと」、後者は「○○さんと行ったこと」にかかるということです。

小売業でも「どこで買うか」ではなく「誰から買うか」というマーケティング方法が注目されています。
Facebookなどの人と繋がるSNSが流行っているのも、必然なのかもしれません。



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2012年05月31日

[107]経営者の本心を引き出したい経営指導員向け | 買い物客はそのキーワードで手を伸ばす−学習院マネジメント・スクール(監修)

買い物客はそのキーワードで手を伸ばす


買い物客はそのキーワードで手を伸ばす

著者:学習院マネジメント・スクール[監修]
出版社: ダイヤモンド社 (2011/11/26)
ISBN-10: 4478014760

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第1章 価値創造型プロモーションとは何か?
第2章 消費者の訴求ポイントを探る
第3章 仮説を検証する
第4章 効果を測定する


「長期的には"特売"はメーカーにとっても小売にとっても良くない」
わかってはいるんだけど、短期的な利益を求めてやってしまう…これが現状ではないでしょうか?

本書では「価値創造プロモーション」…

「消費者の深層心理から、商品の持つ価値(購買のつぼ)を探り、それをもとに開発されたプロモーション」(P.22)

を「エバラ食品」と「ハウス食品」の事例を挙げながら解説している。
この中で、

これまでにも、消費者の深層心理を調査してマーケティングの訴求ポイントを探る方法はいろいろ試みられてきた。
そのなかには、本人の行動や感情の裏に隠されている動機を深堀し、探っていく手法がある。
そのいくつかの手法を総称して「モチベーション・リサーチ」と呼ばれている。


…ということで、後半は消費者の深層心理を聞き出すインタビュー(デプス・インタビュー)の仕方が掲載している。
これは、商工会/商工会議所の経営指導員が、特に初めて経営支援を行う経営者と話をする(ヒアリング)する時に活用できると思いました。

質問はなるべく大きな枠のものから投げかけていくことが望ましい。
(中略)
最初から細かい話を聞いていくと、被験者はその範囲にしか意識が向かなくなり、周辺情報を含めた深い話にならないことが多いからだ。
(P.66)


経営支援の第一歩は、経営者の話をじっくり聞くところから始まります。
ただ「ウン、ウン」と頷いているだけでなく、うまく話を引き出すテクニックが必要になります。

そういえば、中小企業大学校の研修(旧基礎U)でコーチングの研修がありました。
正直言って、それっきりになってしまっていますので改めて勉強しなおして、
かつ、見聞きしただけでは身に付かないので、意識しながら使っていかないといけませんね!


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2012年04月26日

[102]商業担当な経営指導員向け | 日本の優秀小売企業の底力−矢作敏行

日本の優秀小売企業の底力


日本の優秀小売企業の底力

著者:矢作敏行
出版社: 日本経済新聞出版社 (2011/8/26)
ISBN-10: 4532317169

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序章 流通パラダイムの転換
第1章 イズミ:地域密着型経営の徹底
第2章 ヨークベニマル:全員参加型の店舗実行能力
第3章 セブン‐イレブン・ジャパン:単品管理に基づく連続的な業務革新
第4章 コメリ:独自業態の開発・展開
第5章 ニトリ:製・販・配統合型バリューチェーンの構築
第6章 ヤマダ電機:機動的な出店戦略と後発の優位性
第7章 ファーストリテイリング:「スーパーセグメント」を深耕する商品調達ネットワーク
第8章 大丸松坂屋百貨店:店舗運営改革
第9章 湖南平和堂:現地市場への適応化
終章 事例研究のまとめ


目次を見てわかるように大手の小売業の事例が多く紹介されています。
規模が大きすぎるゆえに、狭い商圏で商売をしている中小小売業には直接的には参考にならない。

商工会/商工会議所の経営指導員は、基本知識を身に着ける目的で読むのがいいかと思います。

小売事業の組織能力は、活動レベルでは市場戦略(小売業態・出店戦略)の策定と、店舗運営、商品調達、商品供給の3つの業務システムで構成され、組織的には組織内と組織関係の2つで成り立っている。
小売企業の組織能力を分解することで、構成概念が具体的になり、個別的な能力とその相互関連性、および全体的な能力の分析が可能となる。
(P.20)


本書では組織能力とは「価値を作り出す集合的な仕事のやり方」(P.12)と定義しています。

地域に1店舗だけ店を構えている小規模ないわゆる"パパ・ママストア"にとっては、もう改善のしようがない事項が多い。
だからと言ってこのままで言いか?というとそうではない。

いつも決まったお客さんしかこないとしても売場の商品を変えることによって、バスケット(かご)に入れてくれる商品が増えるかもしれない。
そういう変化を少しずつ続けていけば、振り返った時にお客さんに支持される大きな変化になっていると思います。

---

読み出した時は、「これは、仕事には活かせないかな」と思った本でしたが、小規模事業者への支援の根本のことに気づかされました。

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