
都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの時代
出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012/8/10)
ISBN-10: 404110307X
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目次:
第1章 競争原理と都市
第2章 ショッピングモールの思想
第3章 ショッピングモールの歴史
第4章 都心・観光・ショッピングモーライゼーション
複数の小売店舗が集まった「ショッピングモール(ショッピングセンター)」
中小企業、とりわけ零細事業所の小売店舗側からすると脅威どころか、アリに対して象。
支援する側としても対応が難しいところです。
本書は、ショッピングモールの解説をさることながら、ショッピングモールも含めた今後の都市計画について論じている興味深い本です。
取り壊されたビルや住宅の跡に、何か新しい建造物が建つのかと思いきや、いつの間にかコインパーキングに姿を変えている。
(中略)
たくさんの土地が宙に浮いていたからこそ、規模の経済が働き、このビジネスは大成功しました。(P.22)
本当にコインパーキングをよく見かけます。
小さい土地で3〜4台くらいしかスペースが無く「こんな所に駐車するのかな?」と思いきや次に通ると結構停まっていたりします。
おそらく都市部に見られる傾向だと思うのですが、時代の流れを掴んだいいビジネスだと思います。
ただ、中長期的なまちづくりの観点から見ると…
この一〇〇年、いや一五〇年にわたって都市の姿を形作ってきたのは、良くも悪くも人々の消費生活です。商店街、繁華街、オフィス街。消費社会の段階変化とともに都市はその姿を変えてきました。
(中略)
そこで、消費ではない新しい"主体"を伴う都市計画への提案として"地域の固有性"や"人のつながり"だけが饒舌に語られる中で、あくまでも消費による変化を見据え、そのあり方について考えていきたいと思います。(P.58)
東日本大震災もあったことにより「地域」や「人(絆)づくり」がテーマになっている昨今です。
[125]団塊ジュニアな経営指導員向け | 第四の消費 つながりを生み出す社会へであったように「経済ではない別の価値」を受け入れる世代が出てきました。
しかし、消費をしないと人は生きていけませんし、消費されないと経済は回っていきません。
この難しいテーマを解決できるのは「夢と魔法」なのでしょうか?